一般社団法人スポーツを止めるな

2022年3月19日

内村航平さん引退イベントの記念グッズを描いたNBA公認アーティスト田村大さんにお話を伺いました

3月12日に行われた体操界のレジェンド、内村航平さんの引退イベント。

(KOHEI UCHIMURA PROJECT http://uchimura-kohei.com/project/

 このイベントの記念グッズオークションの収益の一部がスポーツを止めるなに寄付を頂くことになりました。
 そこで、イベントの記念グッズを手掛けられたデジタルアーティストの田村大さんに、共同代表理事最上がお話を伺ってきました。

田村大 
イラストの世界大会であるISCAカリカチュア世界大会において総合優勝、世界一に輝く。
ペン・カラーマーカーを用いてダイナミックに手を動かして描く、躍動感あふれるスタイルを最も得意とする。
NBA公認イラストレーターを務める他、国内外の著名アスリート、著名ブランドと数多くのコラボレーションを果たしている。
https://dt-ltd.tokyo/dai.tamura

最上:「こんにちは。内村さんの引退イベントの余韻がまだありますね。」

田村:「はい、あの美しい着地がもう観れないかと思うと残念ですね。でも、本当に素晴らしかったです。」

最上:「いきなり本題に入ってしまいましたね。今日は田村さんが手がけた内村航平さんの引退記念アートについて伺っていきたいと思います。それでは最初に、内村航平さんのアートを作る上で気をつけたことを聞かせて下さい。」

田村:「体操界のキングで、美しさも兼ね備えた内村さんを、自身の持ち味である「躍動感」を以て描きたいと以前から思っていたため、プロジェクトをご一緒させていただくことが決まった時はとてもワクワクしました。
コラボレーションアートの制作に際しては、構図を決めるまでに試行錯誤を重ねました。内村さんと検討を開始した当初は、内村さんの「6種目やってこそ体操」という拘りから6点を描く方向で進めたのですが、最終的には引退イベントで「相棒」と語った鉄棒、そして中でも現役を通じてミリ単位まで拘ってきた着地のシーンを前面にすることを内村さんご本人の意向で決めました。

背景には鉄棒演技での一連の動作を添えて、静と動、力強さと滑らかさという対照的な要素で構成することで、着地の場面を際立たせるよう工夫しました。

引退イベントの前日の記者会見で内村さんにアートをお見せすることができて、会見の後には絵の感想を直接伺う機会があったのですが、前面と背景がそれぞれ「何年のどの大会なのか」を言い当てていたことが印象に残っています。」

最上:「一つの作品には様々な瞬間が凝縮されているんですね。内村さんとも作品を通じて繋がっているような、そんな雰囲気を感じ取りました。さて、内村さんの引退イベントを間近でご覧になって率直な感想をお聞かせください。」

田村:「イベント当日、最も思い入れがあると仰っていた最後の鉄棒の演技では見ていてドキドキしました。現役生活最後の着地を止められなかったことを受けて「だから THE FINALなんです」とコメントされていたのを聞いて、自身に厳しく結果に拘り続ける姿勢がかっこいいなと感じました。
演技に関しては、空中を高く舞って回転もしながら、常に姿勢が保たれていて美しかったです。あと、全ての種目が一発勝負で、これまでに世界中の注目が集まる場面で何度も着地を成功させてきたのは本当にすごいことだなと改めて感じました。」

最上:「本当にそうですよね。私は仲間の体操トップアスリート達が必死に盛り上げる姿を見て、内村さんは本当に愛されていて、リスペクトされていて、まさにレジェンドなんだなと再認識しました。いやあ、素晴らしかった。」

続いて、今回のオークションの収益の一部がスポーツを止めるなに還元されることに話題は移っていく。

田村:「今回のプロジェクトは自分自身、そして内村さん自身も初めてのNFTアートの取り組みになるため、1人でも多くの人に活動が届き、スポーツ界における新たな可能性を示すことにも繋がっていくと良いなと考えています。
これまでに多くのアスリートとコラボレーションをさせていただき、自分自身、スポーツに対してどのように貢献できるかを考えることは多くあったのですが、ミーティングで内村さんが「子どもたちをはじめとした多くの人々に体操の楽しさや素晴らしさを知ってもらいたい」と話されたのを聞いて共感しました。
検討を重ねていった結果として、コロナ禍以降、限られた学生生活の中で活動できないアスリートたちを支援する「スポーツを止めるな」さんへ寄付することを決めたので、思うような競技生活が送れていない学生の方々に少しでも貢献できたらと思っています。」

最上:「NFTという新たな取り組みを通じて、学生を支援して頂けたことは我々も本当に光栄ですし嬉しく思います。スポーツを止めるなとしても学生アスリートの支援を地道に重ねて参りますね。ありがとうございます。それでは最後に学生アスリートへのメッセージを頂ければと思います。」

田村:「僕自身、高校時代はバスケットボールに打ち込み、全力を尽くしました。それでもプロになるという当時の夢は叶わなかったのですが、ベストを尽くしたことできっぱりとバスケットボールのプロの道を諦めて、次の目標への切り替えができました。
皆さんも日々ベストを尽くして、後悔のない学生生活を送ってほしいなと思っています。」

最上:「ありがとうございます。今回の一連の取り組みを通じて、学生アスリートのみなさんが前を向ききっかけを持ってくれたら嬉しいですね。本日はお時間頂いてありがとうございました。」

田村:「ありがとうございました。」 

リアルな現物は内村さんご本人が所有。今回のオークションには1点限定で出品されている。。

【1252プロジェクト】
アスリートが生理にまつわる体験を語る「Talk up 1252」
第九弾「生理が嫌だと言えるようになった話」配信開始!

 「1252プロジェクト」の一環として、毎回様々なトップアスリートをゲストに、生理とスポーツについて楽しくお話する対談コンテンツ「Talk up 1252」。

 第九回は、女子サッカー選手の下山田志帆さんをゲストに迎え、当社団理事で1252プロジェクトのリーダーを務める伊藤華英と「生理が嫌だと言えるようになった話」をお届けします。

 「 Talk up 1252」の配信は全10回シリーズの展開を予定しております。
今後も多種多様なアスリートの方々との対談動画を配信していく予定です。
様々な女子学生アスリートに通ずる悩みの一助となる動画として参ります。是非皆さまご覧ください。

配信URL:https://youtu.be/8CPMeCrE2dM

※本取り組みは「スポーツ庁委託事業 女性アスリートの育成・支援プロジェクト『女性アスリート支援プログラム』」の一環となります。第六回は、元レスリング日本代表の伊調馨さんをゲストに

え、東大病院能瀬さやか先生
と当社団理事で1252プロジェクトのリーーをめる伊藤華英による「オリンピックを
目指していた時に子宮筋腫が発見された話」をお届けします。