【能登支援・災害支援スポーツネットワーク】早慶ラグビー部関係者有志とのビーチクリーン活動

こんにちは!スポーツを止めるな広報です。

今回は、3月15日(土)に慶應義塾體育會蹴球部・早稲田ラグビー俱楽部の関係者有志の皆さんと石川県輪島市門前町で実施した、黒島地区のビーチクリーン(海岸清掃)のご報告です。

スポーツを止めるなが考える「災害支援活動」

私たちスポーツを止めるなでは、被災地における様々な課題を、スポーツよるソリューションによって復興に繋げることを目標に、2つの柱を中心に「災害支援」活動を実施しています。

1. 被災地支援アクション
有志アスリートによる現地支援活動、スポーツ大会を誘致、高齢者のフレイル対策支援活動

2.被災地の現状発信
定期的なメディア情報発信、スポーツ界内における支援モデルの共有

今回はその活動の一環として、「令和6年能登半島地震・奥能登豪雨災害」被災地である輪島市門前町を訪問させていただきました。

数千年に一度の地殻変動で、最大4メートルの隆起

2024年元旦に能登半島で発生した最大震度7という激しい揺れは、能登半島の北西部に「数千年に一度」と言われるほどの地殻変動をもたらしました。
私たちが訪れた「輪島市門前町黒島地区」の海岸でも、最大4mにおよぶ隆起により東京ドーム5.5個分の海底が露わになり、海岸線が沖合方向に200m以上も移動してしまったそうです。事前に地元の方から説明を受けていたものの、実際に被害を目の当たりにし、その自然の脅威に愕然としました。

※産経新聞の調査による

写真奥の岩肌部が隆起により露になった海底

地面に現れた海底

写真奥の岩肌部が隆起により露になった海底

地面に現れた海底

無数に広がる漂流ごみ

隆起により拡張された海岸線には、大小さまざまな漂流ごみが無数に散乱しています。新たに流れてくるごみだけでなく、海底に長年堆積していたごみ、ペットボトルの蓋などの家庭ごみから、漁で使用するブイや謎の巨大な物体まで・・・拾っても拾っても無くならない大量のごみが海岸線一体に広がっていました。

海外から漂流したであろう家庭ごみ

海底から現れたブイ

海外から漂流したであろう家庭ごみ

海底から現れたブイ

さまざまな漂流ごみが堆積

ライバル校同士の「早慶」が強力タッグを組んで支援活動

ビーチクリーンを一緒に行っていただいたのは、慶應義塾體育會蹴球部と早稲田ラグビー倶楽部の関係者有志の皆さんです。翌日の3月16日(日)に、両校の現役選手・OB選手による能登復興祈念試合「ALL早稲田大学vsALL慶應義塾大学」が行われ、前日のビーチクリーンは、慶應義塾大学からの呼びかけに早稲田大学が賛同して実現しました。両校OBのほか、慶應義塾大学の青貫現監督、マネージャー部員、現役・OB部員の家族、総勢約40人が参加してくださいました。
参加者には金沢市で地震に遭った方、富山出身の慶大マネージャーとそのご家族(富山県から)もいらっしゃいました。皆さん、「震災・豪雨の後、能登のことはずっと気になっていましたが、個人ではなかなかボランティアに参加する機会がなかった」とおっしゃっていました。

協力して重いごみを運ぶ早慶OB

大活躍の慶大・青貫監督

流木の中から丁寧に拾い上げる保護者

細かなごみを丁寧に拾うOB家族

協力して重いごみを運ぶ早慶OB

大活躍の慶大・青貫監督

流木の中から丁寧に拾い上げる保護者

細かなごみを丁寧に拾うOB家族

集めたごみの山

生の声を聞くことの大切さを実感

今回の訪問で地元住民や支援団体の皆様による事前準備に加え、当日も一緒にビーチクリーンを行っていただいたり、被災地の状況を説明していただいたり、沢山のご協力を賜りました。ご自宅の再建をしながらの私たちの受け入れに大変恐縮したものの、地元の方から直接、被害の様子や抱える課題について伺うことができ、改めて「現地で生の声を聞く」ことの大切さを実感しました。
災害以降、能登全域で「人口流出と高齢化の加速」が深刻な課題です。災害の影響で子供たちの「学び・運動の機会が減少」。学生年代とそのご家族の転居が増えたことで、震災前から課題であった高齢化はさらに加速していると伺い、復興が進みにくい状況も良く理解ができました。

一緒にビーチクリーンをしてくださった地元の皆様

震災直後の様子や現状の課題などを伺いました

一緒にビーチクリーンをしてくださった地元の皆様

震災直後の様子や現状の課題などを伺いました

「門前の海岸を綺麗にしたい」と積極的にビーチクリーンを広げる活動をしている地元の方も来てくださいました。門前町で民宿を営んでいた女性と、数年前に黒島地区に移住した女性のお二人は、昨年4月まで自主避難先や在宅避難者に向けた炊出しを行い、今は「清掃しながら住民同士や外部の支援者との交流を生む仕組み」として根付かせる活動に取り組んでいるそうです。

お待ちかねのランチタイムは、輪島市門前「総持寺通り商店街」( https://www.sojiji-st.com/ )の「手仕事屋」さんと「食事処 縁」さんで、美味しいお食事をいただきました。ありがとうございました!

地元の方から状況を聞く様子(左:手仕事屋さん、右:縁さん)

地元の方から状況を聞く様子(上:手仕事屋さん、下:縁さん)

地元の声を広く届けることの大切さ

私たちは、「スポーツによるソリューション」を活用した支援活動に、まだまだ多くの可能性を実感しています。アスリート有志の皆さんと一緒に被災地を訪れることももちろんですが、10年以上続くといわれる復興の状況を「伝え続ける」ことも重要だと考えています。ぜひこの記事をご覧の皆様も、この現状をシェアしていただけると嬉しいです。

スポーツを止めるなは、「災害復興への想いを持ったアスリートやスポーツ団体、チームと被災地をつなぐ中間支援の役割として、引き続き能登支援活動を継続してまいります。
*今回の活動は一般社団法人NOTOTO. (共同代表:安江雪菜 https://nototo.jp )との協力のもと進めています。