2026 年1月31日(土)、日本オリンピックミュージアムにて、一般社団法人スポーツを止めるなによる「スポーツを止めるな“1252プロジェクト研修会”」が実施されました。
本イベントは、生理に関する正しい知識を特に男性指導者に伝え、選手のコンディショニングを正しく理解・支援できる環境づくりを目指すことを目的に行われ、当日は特定非営利活動法人スポーツコーチング・イニシアチブ(SCI)に登録されている皆様を中心に、スポーツ指導者、教育関係者、医療・コンディショニング関係者、学生アスリートなど多彩な立場の方々に参加いただきました。講師として1252プロジェクトリーダーの伊藤華英代表理事(博士 [スポーツ健康科学]・元競泳日本代表)、日本オリンピック委員会強化スタッフ(ナショナルチーム)フィジカル育成担当の泉建史氏が登壇しました。
(泉氏は1252プロジェクトが主催する女子アスリートを指導する上で必要な知識を問う検定「1252公認 女子アスリートコンディショニングエキスパート検定」のテキストブック第6章「ストレングス&コンディショニングとケア」をワーキングメンバーと執筆)
まずは伊藤から1252プロジェクトの活動紹介をさせていただき、自身のアスリート現役時代のエピソードも交えながらトップアスリート含むアスリートが置かれている生理の課題について言及しました。
その後グループワークとして「女性アスリートとの接し方など抱えている課題について」グループディスカッション、参加者同士でシェアする時間がもたれました。会場からは「生理といってもその期間だけではなく前後でも体調が大きく変わるので、選手自身が“自分はこういう時こうなる”という状態をきちんと把握できるということが重要」「男性指導者だとどうしても自分ごととして感じにくい点もあり、体調や生理の影響があることに気づかずアスリートを責める形になってしまうこともある」など、現場ならではの不安や課題に関する発言がありました。そういった状況だからこそ、「生理や体調、コンディショニングの話をオープンにできる環境は本当に重要だと思う」という声も聞かれました。
ワークショップ後は、現在泉氏が仕事をする上で大切にしている価値観(琴線)や国際ライセンスのNSCAガイドライン紹介もありました。泉氏はロス2028に向けたスポーツ現場では「フィジカルコーディネーター」の業務も兼務し、フィジカルコーチとしてのトレーニング指導だけではなく、トレーナー、コーチ、栄養士、科学者・医療従事者など様々な職種を連携させ、アスリートを全方位的にサポートする体制を整える役割を持ちます。測定、評価、育成、情報共有までを一貫し様々な分野をつなぐハブとなることで、 一人ひとりのアスリートに寄り添った『トータルコンディショニング』の実現を目指しています。 その後、女子アスリートのフィジカルトレーニング導入の流れや身体の動きチェックを紹介するとともに、今の状態を「言葉にしていく」ことの重要性を会場の参加者とのやりとりを交えながら説明しました。疲労、熟睡度、食欲、運動量、痛みなどを10段階で評価し言葉にして共有することで、本人自身も体調変化を理解することができ、対話を通じてセルフ理解を深めることにつながるなどのメリットがあることを伝えました。指導者視点では、「身体の状態を言語化できる文化をつくる」点が重要であり、その積み重ねがジュニア世代からのコンディショニングの構築につながっていきます。
2回目のワークショップでは、「今日の話を受けてどう解決できるか?~未来に向けて自分 ができること~」をテーマに、参加者含めて話を深めていきました。会場からの「女性アスリートが主体的に生理の課題に向き合うために必要な指導者としてのスキルは?」という 質問に、伊藤、泉氏それぞれが回答しました。伊藤からは「選手の言うことを頭ごなしに拒否せずしっかり会話を受け止めること」と伝えました。その上で、「不調を見せることは“少し弱い自分”を見せることにつながるためアスリートにとっては難しい面があると思う。ライバルに聞かれたくないという思いや、チーム競技であれば“メンタルが弱いから大事な場面では起用しません”となりかねないという意識が働いてしまう。現在は選手にも指導者側にも情報が届きやすくなっているので気軽に話せる環境が整っている方も多いかもしれませんが、まずは指導者が正しい知識を持っていることが重要です。選手たちと信頼関係を築く中で少しの違和感に気づいたり、それを伝えられたりする関係性を作ることが大切だと思います」と伝えました。 泉氏からも「指導者が“その知識を持っている人なんだ”と分かるだけでも選手にとっては全く 違う環境になるので、まずはそこからのスタートだと思います」と話がありました。
今回のワークショップは参加者との対話や実際に身体を動かす場面もあり、終始なごやかに進められました。今後も1252プロジェクトは生理に関する正しい知識を社会に伝え、スポーツ界はもちろん教育、医療、栄養など様々な領域の方々と連携しながらスポーツ×生理の課題について広く発信していきます。
今回のワークショップは参加者との対話や実際に身体を動かす場面もあり、終始なごやかに進められました。今後も1252プロジェクトは生理に関する正しい知識を社会に伝え、スポーツ界はもちろん教育、医療、栄養など様々な領域の方々と連携しながらスポーツ×生理の課題について広く発信していきます。
伊藤華英(いとう はなえ)
元競泳日本代表選手、一般社団法人スポーツを止めるな代表理事、1252プロジェクトリーダー、博士(健康科学)、マットピラティスコーチのライセンスを取得、競泳のオリンピアン(北京五輪、ロンドン五輪2大会出場)、2008年は背泳ぎ日本新記録を樹立。現役引退後はアスリートの視点からスポーツの地位向上・発展のために活動、2021年からは「1252プロジェクト」でスポーツに取り組む学生らに生理の正しい知識や理解を広げる活動に取り組んでいる。アスリートやスポーツに関する社会貢献活動のロールモデル「HEROs AWARD2023」アスリート部門を受賞。書籍 『これからの人生と生理を考える』 (山川出版社)。1252女性アスリートコンディショニングエキスパート検定』(東洋館出版社)監修、講演活動など多数。
https://spo-tome.com/about/members/
元競泳日本代表選手、一般社団法人スポーツを止めるな代表理事、1252プロジェクトリーダー、博士(健康科学)、マットピラティスコーチのライセンスを取得、競泳のオリンピアン(北京五輪、ロンドン五輪2大会出場)、2008年は背泳ぎ日本新記録を樹立。現役引退後はアスリートの視点からスポーツの地位向上・発展のために活動、2021年からは「1252プロジェクト」でスポーツに取り組む学生らに生理の正しい知識や理解を広げる活動に取り組んでいる。アスリートやスポーツに関する社会貢献活動のロールモデル「HEROs AWARD2023」アスリート部門を受賞。書籍 『これからの人生と生理を考える』 (山川出版社)。1252女性アスリートコンディショニングエキスパート検定』(東洋館出版社)監修、講演活動など多数。
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泉建史(いずみ たけし)
フィジカルトレーナー/フィジカルコーチ、日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ、ナショナルチーム・フィジカルコーディネーター、米国スポーツ医学会認定 運動生理学士(ACSM/EP-C)。NSCAジャパン最優秀指導者賞受賞。ナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点エリア医・科学サポートプロジェクト委員、近年は東京2020、パリ2024、ロサンゼルス2028世代(採点系競技、審美系競技、体操ニッポンなど複数の五輪競技)を担当、プロスポーツではJRA日本中央競馬会・競馬学校・トレーニングセンター騎手実践課程フィジカル育成を担当。東大阪市ではスポーツ教育アドバイザーとして活動、国際的な組織のNSCAジャパンのエリアディレクターとして後進の教育にも力を注ぐ。『1252女性アスリートコンディショニングエキスパート検定』(東洋館出版社)運動処方パート執筆、SDGs活動など多数。
https://the-ans.jp/course/445893/3/
フィジカルトレーナー/フィジカルコーチ、日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ、ナショナルチーム・フィジカルコーディネーター、米国スポーツ医学会認定 運動生理学士(ACSM/EP-C)。NSCAジャパン最優秀指導者賞受賞。ナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点エリア医・科学サポートプロジェクト委員、近年は東京2020、パリ2024、ロサンゼルス2028世代(採点系競技、審美系競技、体操ニッポンなど複数の五輪競技)を担当、プロスポーツではJRA日本中央競馬会・競馬学校・トレーニングセンター騎手実践課程フィジカル育成を担当。東大阪市ではスポーツ教育アドバイザーとして活動、国際的な組織のNSCAジャパンのエリアディレクターとして後進の教育にも力を注ぐ。『1252女性アスリートコンディショニングエキスパート検定』(東洋館出版社)運動処方パート執筆、SDGs活動など多数。
https://the-ans.jp/course/445893/3/
※本講習会は特定非営利活動法人 スポーツコーチング・イニシアチブ(SCI)様に受講者募集に関してご協力いただきました。
https://sports-coach.jp/
※この授業はKARADAKARAの助成事業です。
